ロードバイクで富士山5合目へ【富士スバルライン・ヒルクライム】

「長いお盆休みが取れたので、どこか行きませんか?」
そう誘われて、富士山をロードバイクで登ってきました。

2020年8月現在、富士登山はできません。
コロナの影響で、すべての登山道が閉じているのです。
ですが、車で5合目まで登れる有料道路「富士スバルライン」はオープンしています。
そこをロードバイクで登るというわけ。
有料道路なのにロードバイクでも登れるって、珍しい。
お天気もよく最高に楽しかったです!

引用:富士山みどころマップ

富士北麓(ほくろく)駐車場で準備

富士山ヒルクライムはいくつかのルートがありますが、今回は富士スバルライン料金所〜5合目までのコース。
友達が用意してくれたレンタカーを料金所近くの富士北麓駐車場に止め、準備開始。
富士スバルラインは、毎年7月〜9月ごろまでマイカー規制がかかり、マイカーで5合目まで行くことはできません。※1)
富士北麓駐車場は、マイカー規制中のシャトルバス乗り換えにも活用される駐車場。
かなり広いです。観光案内所やトイレもあります。迷子になりそう。
規制期間中は、マイカー1台1回につき1000円。規制期間でないときは無料です。値段の差がすごい。

まずは、富士スバルライン料金所を目指して出発

まずは、駐車場から料金所まで約5kmの距離を走ります。
その間でも200mくらい標高が高くなります。ゆるーい登りが地味にきつい。

わたしはロードバイクに乗るのが2月のデュアスロン以来……つまり半年ぶり。

まず乗りかたを思い出すところから。

どうやってギア変えるんだっけ?
ビンディング※2)はどうやってペダルに固定するんだっけ?

とかなんとかやっていたら、さっそく置いていかれました。
まだスタート地点にも着いていないのに(笑)

旦那ちゃん達はゆっくり走ってくれていたんだけど、わたしはちょっと漕いだら早くも息切れの気配。
このペースで走ったら、すぐに足が使い物にならなくなりそう。最後まで登りきれない。
ついていくのはあっさり諦めて、自分のペースでのんびり行くことに。

「そんな状態で、よく富士山に登ろうと思ったね」という声が聞こえてきそうですが、お誘いがあったときにルートをよく理解していなかったんですよね。
「わーい、自然の中でロードバイク乗れる❤︎」くらいに思っていました(笑)

富士スバルライン料金所から、富士5合目へ

料金所の標高は1,088m。ここから5合目の2,305mまで、約24kmの道のりで1,217m登ります。
延々と続く、ゆるーい(時に急な)登り坂。

料金所で、車と同じように料金を支払います。自転車は200円。軽自動車や125cc以下のバイクと同じ扱いって、なんか面白い。
料金所や誘導のおじさんたちもロードバイクに慣れているようで、「暑いから気をつけてね〜」「がんばって」と声をかけてくれました。
登山道が開いていないせいか車やシャトルバスはほとんど見かけませんでしたが、同じようなローディーさんとは何度もすれ違いました。
このコースでヒルクライム大会もあるし、ほんとうに人気のスポットなんですね。

街でローディーさんとすれ違ってもとくに挨拶しないけれど、ここではみんな「こんにちは」と声をかけてくれたり、ぺこりと会釈してくれたりして嬉しい。

こんな感じの道をずっと登っていきます。

スバルラインには1合ごとに標高の表示があり、1合目の手前に「1合目下駐車場」、2合目と3合目の間に「樹海台駐車場」、ほぼ4合目に「大沢駐車場」、5合目の少し手前に「奥庭駐車場」があります。

富士山四合目大沢駐車場

どこも素晴らしい展望スポットで、水洗トイレが完備されています。(高地での水洗トイレは貴重)
大沢駐車場には、売店や休憩スペースもありました。

逆に言うと、大沢駐車場までの約22kmは自販機や売店がありません。
飲み物や補給食はしっかり準備していくのがよさそうです。

こまめに休憩を入れ、水分補給。
この日は猛暑で、都心には「命に危険な暑さ」と熱中症警戒アラートなるものが発令されていました。
標高が高い富士山では下界ほどではなかったけれど、それでも暑い。
でも景色は最高でした!

ゆっくりでいいから、最後まで歩かないで登りたい。
そう思ってがんばっていたけれど、ちょっと体調に不安があり、4合目手前で歩いちゃいました〜。

もはや歩いたほうが早いのでは?という超ノロノロペースで進んでいたため、旦那ちゃん達をかなりお待たせしつつ、休憩ポイントに到着……。

大沢駐車場では飲み物を補給して、ソフトクリームに癒されつつ休憩。
700mlを2本持ってきていたのに、暑さで思いのほか飲んでしまってボトルの軽さに不安になっていたので、ここで補充できてほっとしました。

旦那ちゃんはたい焼きを食べていました。(こんなに暑いのに!)

山の「◯合目」表示はどういう意味

富士山の「◯合目」って、どういう単位?
道路脇で「5合目まであと何キロ」と教えてくれる標識を横目で見ながら、そんな疑問が浮かんできました。
自然に使っているけど、由来を知らない。
山頂までの距離を10等分したわけではなさそうだし、合ごとの標高も半端です。

調べてみると、かつて登山が修行の一環として行われていた際、登山者の目標や休息地になる地点を、時間的に刻みだしながら決めたのだそう。頂上に近くにつれ道が悪くなったり傾斜がきつかったりと難儀するので、合数が大きくなるごとに距離が短くなっているようです。

でもなんで時間の単位でなく「合」なの?

それは、桝に入れたお米をさかさまに出すと山形になるようすから登山の苦しさを人生の苦難に見立て、梵語の「劫(ごう)」が変化したという説や、山頂のことを御鉢(おはち)と呼よぶことからお米に例えたという説など、たくさんの説があるみたい。

富士山以外の山では「丁目」や「菩薩名」などの表示もあるようです。とくべつ「距離や高度を表す単位」ではないんだ。山岳信仰のなごりというわけなんですね。面白い。

富士山5合目に無事到着

登りきったよ〜!

眼下にはみごとな雲海。
太陽のひかりが反射して、それはそれは綺麗でした。

5合目到着までは、めっちゃ時間かかりました。大会だったら時間切れであったであろう(笑)
でも、登りきったことに変わりはないということで。
旦那ちゃん達をなんどもお待たせしてしまったのは申し訳なかったけれど、自分のペースで登らせてくれたおかげで、風景や自然を満喫しながら進めたのはとてもよかったです。感謝。

富士山の5合目は、標高2,305m。
通常、標高2000mだと下界よりも10度くらい気温が低くなります。
なので5合目はもっと涼しいと予想していたのだけれどそんなでもなく、「ここでこの気温なら、下界はヤバいことになっているんだろうね。」なんて話をしていました。

5合目はカフェや売店、郵便局などもあり、山の上とは思えないほど都会的です。
ふだんなら登山客や海外からの観光客でごった返していると思われるのですが、人はまばら…。
閉まっているお店もあり、ランチに入ったお店ではわたしたち以外いませんでした。
空いててよかったけれど、先行きが心配…。

冨士山小御嶽神社(ふじさんこみたけじんじゃ)も参拝。

5合目展望台で後ろを振り返ったら、近い!!迫力!!
感動しました。思わず拝んじゃう。信仰の対象になるのは、必然だ。

夏の富士山、初めて見ました。まったく雪がない!
意外と山頂のほうまで緑で青々としているのですねー。
上のほうには生き物は生息していないのかと思っていました。

帰りはダウンヒル

帰りはひたすら下り。
登るのはあんなに時間がかかったのに、下るのは一瞬です。

「下りはずっとブレーキを使うことになるから、ハンドルの下を持つほうがいいですよ。上だと握力がなくなります。」
そう教えてもらって、ハンドルの下側を持ってみることに。
ハンドルの下側を持つとブレーキに指がかけやすく、軽い力でブレーキをかけることができます。
でも、上体が深い前傾姿勢になり、地面が近くなる。それがちょっと恐怖。
スピードを出して漕ぐことはあまりないし怖いし……で、わたしはこれまで下ハンドルを持つことはありませんでした。

でも、やってみたら簡単で、思ったより怖くなかった。すぐに慣れました。
スピードが出ても安定するし、ブレーキもかけやすいし、こっちのほうがいいじゃん。

それで余裕が生まれ、風景を楽しめました。
ダケカンバの林に差し込む夕日や、道の向こうにそびえ立つ山の稜線にかかる雲がピンクに染まる様子など、ほんとうに美しく、富士山登ってよかったなあとしみじみしました。

奥庭駐車場と天狗の庭

登りの途中、奥庭駐車場で会ったおじさんが、森に続く坂道をゆびさし、あの古い登山道を下ると穴場の展望台と食堂があると教えてくれました。

「5合目は観光地で飯もインスタントだけど(そうなの?)、こっちは手つかずの自然が見られるし、食堂の飯も手作りで本当にうまい。」

そういうなら…と帰りがけに行ってみることにしたものの。
岩だらけの山道で、ビンディングシューズで下るような道ではありませんでした(笑)
クリート(ペダルに靴を固定するための金具)が、めちゃくちゃ滑る。
思えば、おじさんはビンディングシューズではなかったな……もうシューズは脱いで靴下で歩こうか?と考えつつ、5分くらい行くと少し開けた場所に立つ木製の建物が見えてきました。

建物は想像よりも大きく、よく見たら食堂ではなく「奥庭荘」という山小屋でした。
宿泊施設だけれど、食堂だけの利用も可能です。
気のいいおじちゃんとおばちゃんたちが切り盛りしていらっしゃるよう。ほがらかで雰囲気よかったです。
わたしは手作りのこけももジュースをいただきました。爽やかな甘さとつぶつぶした果肉感が美味しかった。
だんなちゃん達はお餅を頼んでいましたが、ちょこんとした串団子みたいなのがくると思ったら、大きな焼き餅とフルーツがたっぷり出てきてびっくりしました。
ほかにもほうとうやうどんなど、地元のおいしい食材を食べられるみたい。

山小屋の前は野鳥の水場になっており撮影ポイントとして人気らしく、数名のカメラマンが撮影を行っていました。

また、奥庭は別名「天狗の庭」として親しまれています。
そのむかし、この庭には天狗さまが住んでいたという伝承があり、鳥居と「天狗岩」が祀られています。
天狗さまが天に昇ったり、下界に降りたりするときに使った霊魂のこもった台石なのだそう。
これを参拝すると恋愛成就、夫婦円満になるのだとか。
この時、だいぶいい時刻で帰りの時間が心配だったために参拝しなかったけれど、すればよかったな。

奥庭荘からさらに奥に進むと、美しい自然が楽しめるトレッキングコースや展望台があるようでしたが、シューズや戻り時間のこともあり、今回は引きかえすことにしました。
紅葉の時期にまた来たい。

駐車場の閉場時間は確認しておくべき

余談ですが、駐車場に戻ってきたのは17時50分。
18時に駐車場が閉まるというのをその時に知り、大慌てで荷物を積み込み、閉場3分前に滑りこみで退場。
もし戻りが18時を過ぎていたら、ゲートが閉められて車を出せなくなっていました。危なかったー!
駐車場の営業時間は事前に確認しておくべきですね(笑)

距離と獲得標高

いま思えば、久しぶりのロードバイクで富士山を登るとかやや無謀だったけれども、無事に登れたし、結果オーライということで(笑)
登るのは確かに大変だけれど、登りきった時の達成感は最高だし、めちゃくちゃ楽しかったです!
しばらくの間、旦那ちゃんにはその話ばかりしていました。

ちなみに、計測するのをすっかり忘れていたのですが、友達の記録によると往復で61.53km、獲得標高1846mということだそうです。

余談

実はこの日は生理2日目、体調的には最悪のコンディションでした。
そのことで、女性周期と運動の関係について踏み込んで考えざるをえなくなりました。
他のひとはどうしているのかと調べてみても、体験談などの情報があまり見つからず。
生理については、女性同士でも話題にのぼることは少ないですが、わたしとしては、性別年齢関係なくオープンに話せる社会になってほしいし、なるべきだと思っています。そういうわけで、次の記事にまとめました。


※注釈
  1. 電気自動車は対象外[]
  2. ビンディングシューズとは、自転車を効率的に漕ぐために開発された靴。靴裏の「クリート」という留め具でペダルと靴を固定する仕組みになっています。踏み込む力や引き上げる力を、直接、無駄なく自転車に伝えられる。[]