日本の伝統楽器・琵琶の音色に感動して歴史や由来を調べてみた【気まま探求#1】

友人の舞台を見に行きました。
日本史をテーマにした朗読劇だったのですが、バック演奏で日本の伝統楽器が使われていました。
そこで初めて琵琶の生音を聞いたんですけど…想像以上に良い音で感動してしまいまして。
三味線や箏は、イベントなどで生音に触れる機会がありましたが、琵琶はなかったんですよね。

もちろん、琵琶の音そのものは知っています。
でも、生で聞くと、ぜんぜん違う。
もっと奥深い音に聞こえました。

わたしの琵琶の知識と言えば、琵琶法師とか、小説『陰陽師』に出てくる「玄象」とか、漫画『鬼滅の刃』で琵琶鬼が弾いているやつ…程度。
わたしはフラ(ハワイ)の伝統楽器について構造や歴史を説明できるけど、琵琶は日本の伝統楽器なのに、何も知らないなあ。
そう思い、調べてみたら面白かったので描きました。

琵琶とは

琵琶は東アジアの弦楽器で、中東のウードや、ヨーロッパのリュートと同じルーツを持っています。
シルクロードを経由し、日本には7〜8世紀ごろに中国から入ってきたそうです。
現代の日本には、「楽琵琶」「盲僧琵琶」「平家琵琶」「薩摩琵琶」「筑前琵琶」の5種類があり、それぞれの特徴は以下のとおり。

楽琵琶(がくびわ)→日本初の琵琶といわれ、雅楽で演奏するときに用いられる。
盲僧琵琶(もうそうびわ)→盲目の僧侶である琵琶法師が、お経を唱える時の伴奏として用いた琵琶。
平家琵琶(へいけびわ)→鎌倉時代の軍記物語『平家物語』に節をつけ歌いながら演奏する(これを平曲という)時に用いられる。
薩摩琵琶(さつまびわ)→武士の教養のための音楽として、室町時代に生まれた近代琵琶。
筑前琵琶(ちくぜんびわ)→宗教性をなくし女性を対象とする家庭音楽として、明治時代に興隆。

ひとくちに琵琶といっても、こんなに種類があるんですね〜。
わたしが弾かせてもらったのは「薩摩琵琶」でした。

薩摩琵琶とは

室町時代に武士の教養のための音楽として生まれ、武士たちの士気向上のため勇壮で大きな音が出るように楽器や撥(ばち)が改良された琵琶が、薩摩琵琶です。
絃(げん)が4本、絃を支える柱(ギターでいうフレット部分)が4本あり、1番上と2番目の柱の間が長く、音を大きく響かせるため、腹板がふくらんでいるのが特徴。
胴板には桑などの硬い材木を使用し、大型化した撥で叩きつけるようにして演奏することができます。

武士のたしなみのひとつとして奨励されていたっていうのは、面白いですよね。
巨大な撥は、敵に襲われた際に応戦するのにも使ったという話もあり、武器にもなる!?

薩摩琵琶の奥深い音

終演後、友人に「琵琶を近くで見てもいいか」と訊いてみると、わざわざ演者さんを呼んでくださいました。
「どうぞどうぞ、ぜひ手に取って弾いてみて」
そう言われたので遠慮なく持たせてもらったら、遠目で見るよりも大きく、どっしりとした重さがありました。
胴体はすべすべした手触りが心地よく、木目が美しかったです。
撥は30cm弱ほどの大きさがあり、手首を捻るようにして弦をはじくのですが、けっこう力が必要でした。

琵琶の音をオノマトペで表現すると「ベン」「べべン」となることが多いと思うのですが、実際はもっと余韻のある体に響く音でした。文字で表現するのは難しい…。

youtubeには琵琶を演奏している動画もたくさんあるんですけど、やっぱり生音が体に響く感じがあってよかったです。
生で聞かなかったら、ここまで興味をもつことはなかったと思います。
なので、舞台に誘ってくれた友人と、琵琶を触らせてくださった演奏家さんに感謝。
みなさんも、琵琶の生演奏、機会があればぜひ聞いてみてください。

About

花咲マリサ
イラストレーター、フラダンス講師。
このブログでは、街中で見かけたスタイルのある人や、日々考えたこと、読んだ本、フラのことについてイラストでご紹介しています。
ゆるーく「脱プラスチック」「ごみゼロ」生活を心がけています。日々の試行錯誤の記録。
ストイックでないミニマリストになりたいです。
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