ZOOMでオンライン・フラ第二回を開催したまとめ。

新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)の影響で、わたしのハーラウ(フラ学校)も休校中です。
そんな中、思い立ってはじめたオンラインでのフラ勉強会。

手応えを感じたので、第二回を開催しました。
そのまとめです。

オンライン・フラ勉強会 第2回
2020年4月16日(木)16:00-17:20
参加者:マリサ、ユミ、アッコ、カオリ
内容:アウアナ「Waimea I Ka La’i」について、それぞれ事前に調べたことをシェア。曲の解釈についてディスカッション。

Waimea I Ka Laʻi(ワイメア・イ・カ・ライ)

作詞・作曲: Iolani & Natalie Ai Kamauu (イオラニ&ナタリー・アイ・カマウウ)
アルバム「La La La La」(2015発売)に収録

甘くしっとりした美しい曲です❤︎

<舞台のワイメアについて>

「ワイメア」はハワイ島にある地名です。ハワイ島はハワイ諸島の中で一番大きく、一番新しい島です。

ハワイ島はコハラ、マウナケア、フアラライ、マウナロア、キラウェアの5つの盾状火山から成り立つ島です。
ワイメアは、島の北東部、コハラとマウナケアに挟まれた内陸の土地です。
オアフ島とカウアイ島にも同じ地名がありますが、この曲で歌われているのはハワイ島のワイメア。
↓ここね。

貿易風の通り道となるため、1年を通して強風が吹いています。
その影響で、降水量が多いことで有名なヒロに負けず劣らす、雨が多い土地。平均年間降水量を比較すると、ヒロ:3276mm、ワイメア:3146mm。((出典:Hawaiian Photo Blog/雨と霧のワイメア【ハワイ島19号】))
この曲にはなんども「霧」「雨」「濡れる」などの表現がでてきます。この土地の特徴を考えると、納得ですね。

ハワイ島では、ヒロ、カイルア・コナに次ぐ第3の町。パーカー牧場があることでも有名なこの町の周辺には、一面の牧草地帯が広がっています。

マウナケアとワイメアが意外と近いとはじめて知りました。マウナケアは標高4000m越えの巨大な山。ワイメアからはどこにいてもマウナケアが見えます。見えるというか、見下ろされている/見守られているという感じなのかも。
ワイメアのパーカー牧場から見たマウナケアの写真をみつけたので、お借りしてきました。荘厳で美しい!思わず歌を作りたくなっちゃう気持ちもわかりますね。

ワイメアのパーカー牧場から見た山頂が真っ白なマウナケア山
出典:ホロホロワールド・カワラ版/ハワイ島ワイメアのキルトクラブ
<曲の背景>

作者のナタリーさんが、ワイメアで家族と過ごした幸せな思い出を表現したもの。とくに、ナタリーさんのおばあさまとの大切な時を語ったものだそうです((ナタリーさんに師事しているハーラウのブログから。ほかにも、ナタリーさんのワークショップに参加した複数の人のブログに同様の記述がありました。なので、ナタリーさん自身がそのように説明したと考えてよさそうと思います。))

ハワイ島のワイメア
そこにナタリー先生のお祖母様が住んでおられたそうです。
なので、ワイメアと聞くと…懐かしい思い出とお祖母様への想いと望郷の念と…
だから、「満面の笑顔で踊ると言うよりは…何か切なく遠くを見る眼差しで踊っています」
と、言われてました

姫路のフラダンス教室プメハナフラスタジオ
<歌詞の内容>
  • Uhiwai(ウヒヴァイ):深い霧のこと。Uhi(覆う)、wai(水)。歌詞カードを見ると、「Uhiwai」と最初のUが大文字になっています。ハワイ語にはその土地・季節特有の自然現象に固有名詞があることが多いので、ワイメア特有の霧のことかと思ったけれど、調べてみるとそういうわけでもないようでした。ナタリーさんのおばあさまの名前が「Kauhiwai」だそう((出典:ナタリーの Uhiwai))。Kaは冠詞(the)にあたるので、通常はその後にくる名詞(ここではUhiwai)との間にスペースが入ります。このように、名前として使用される時には続けて書きます。Uが大文字なのは、おばあさまの名前とかけているからかもしれないと思いました。また、kaona(カオナ)((カオナとは、「言葉のなかに隠された意味」または「言葉がもつ二重の意味」のこと。フラの曲にもよく使われている。))では、Uhiwaiは「愛」を象徴することがあります。空間をすっぽり覆う霧が、抱きしめているような感じがするからですかねー。なんともロマンチックですね❤︎
  • E hani mai( エ・ハニ・マイ):ハワイ語によく出てくるこの「mai」は、動詞を伴って、動作や行為の方向を指示する言葉。むこうからこちらに向かってくる動作の方向を表します。日本語の「持ってくる」の「くる」に似たものと考えると理解しやすい。重要なのは、「動きがある言葉」だということ。
  • Lei hulu mamo (レイ・フル・マモ):hulu(羽)mamo(キゴシクロハワイミツスイ)直訳すると、キゴシクロハワイミツスイ(という鳥)の羽のレイ、という意味。ですが、この言葉には「黄色いレフアのレイ」の意味もあるそうです。黄色いレフアのことを、Lehua mamo(レフアマモ)と呼ぶんですよね。ワイメアには黄色いレフアがたくさん咲いているそうです。((出典:アロハストリート/メレ(うた)を旅するハワイ/第二十三回:ハワイ島ワイメア))
    このキゴシクロハワイミツスイは120年以上前に絶滅してしまっています。カヒコとか、アウアナでも古い曲や王族を讃える曲だったら、そのままの「マモの羽のレイ」という意味だと思うけれど、この曲の場合は「黄色いレフアのレイが濡れている」情景のほうがしっくりくる気がするなあ。
カメハメハ大王と黄色いレフアのイラスト
そのほか

日本語でも「歌詞」になると言葉そのものの意味だけではなく、比喩や暗示的な意味が含まれることが多いです。もともと間接的な表現が多いハワイ語の場合はなおさら。
調べるのに複数の本やネット上の記事を参考にしたけれど、記事によって書いてあることが違ったりする。結局、書き手の解釈や憶測なことも多い。まことしやかに書かれていると「なるほどそうか」と納得してしまいがちだけれど、なんでも鵜呑みにしないで、参考に留める。「この人はこういう風に解釈したのね」「こういう説もあるのね」という視点が大事だね、という話になりました。
それを踏まえて、じゃあわたしはどのように解釈するの?どう表現につなげていくの?ということを「自分で考える」。その工程が大切だ。わたしはそう思いました。

<参考文献>

About

花咲マリサ
イラストレーター、フラダンス講師。
このブログでは、街中で見かけたスタイルのある人や、日々考えたこと、読んだ本、フラのことについてイラストでご紹介しています。
ゆるーく「脱プラスチック」「ごみゼロ」生活を心がけています。日々の試行錯誤の記録。
ストイックでないミニマリストになりたいです。
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