生理中の運動はどうする?【女性アスリートと生理の関係】

走る女性のイラスト

前回、富士スバルラインを使って、富士山を5合目までロードバイクで登ったという記事を書きました。

実はこの日、生理2日目でした。
ふだんだったら激しい運動はせず、おとなしく過ごす日です。
生理中は、貧血による頭痛や立ちくらみ、子宮の収縮による腹痛などが起こることがあります。
そういった症状が出ていなければ、軽めの運動は血液やリンパの循環などをよくしてくれますから、やさしめのヨガやストレッチなどは行いますが、強度の強い運動は避けます。

お誘いがあったとき、日程が悪いとわかっていたものの、旦那ちゃんとの予定があう日がその日しかなかったこともあり、行くことにしたわけです。
無謀かな?と思いつつも、コロナでずっとおとなしくしていていい加減遊びたいし、旦那ちゃんも一緒だし、なんとかなるだろうと。

「ちょっと遅れたり、早まったりしないかな?」
淡い期待も抱きましたが……そんなはずはなく、予定通りに来ました。
わたしの生理周期はめちゃくちゃ正確なのです。
わかってたけど…ふだんならそれがいいことなんだけど…(笑)

このような体験談はあまりみかけません。誰かの参考になるかもと、書いておくことにします。

生理中に運動をするときの対策

生理中の運動において、まず心配なのは生理痛です。
わたしは生理痛はあまりない体質ですが、よりによって2日目に被ってしまったので、念のため、出かける前に市販の痛み止め薬を飲んでおきました。
クライム中は飲むタイミングが難しいだろうし、痛みが出てからでは効きにくく、気力が萎えてそれ以上登れなくなると思ったからです。
これは正解で、痛みについては問題なしでした。
途中、「薬が切れた?」と焦る瞬間もあったんですが、そこで自転車を降りて歩くことにして、しばらく休憩したら大丈夫でした。貧血やめまいもなく、ほっとしました。

問題は、ナプキンのほうでした。
こういう時はタンポンを使うものだれど、ここしばらく使っていなかったし、急に予定が決まったこともあり、存在を忘れていました。
いつも通りのナプキンで行きましたら、汗で蒸れたり替えるタイミングだったり、いろいろ大変でした……。

長時間の運動時は、月経カップかタンポンにするべき

ロードバイクに乗るとき、基本、荷物は持ちません。
ウェアの背中についている大きめのポケットに、お財布やスマホなど最低限必要なものだけを入れます。
もちろん、ナプキンも持って行きました。
が、準備中に頭をよぎった「ポケットがナプキンでパンパンになるのもな……」という考えが、枚数の判断を鈍らせました。汗であっという間に濡れてしまい、最後のほうは足りなくなってしまいました。

長時間の運動時は、月経カップかタンポンにするべきという学び。
長時間でなくても、ヨガなど体を大きく動かす運動の場合、体とナプキンの間に隙間ができて経血が漏れてしまうことがあるので、月経カップかタンポンのほうが安心かなと思います。

ちょうど、次の生理から「月経カップ」を使ってみようと考えていたところ。
月経カップは、膣内に装着して経血をためるシリコン製のカップのこと。
ゴミが出ない、1日に何度も取り替えなくてよい(最長12時間装着可能)、全く蒸れず、生理であることを忘れてしまうくらいだとか。快適そう。

月経カップとはなんぞや?という人は #NoBagForMe プロジェクトの立ち上げ人でもあるハヤカワ五味さんの動画がとてもわかりやすいです。

低容量ピルで生理の時期をずらすという方法も

もっと早く予定が決まっていれば、低容量ピルを使ってもよかったかもしれません。
低容量ピルは、女性ホルモンに働きかけて、安全に生理の時期をコントロールできます。
でも、医療機関で処方してもらわないと手に入らない、慣れるまで副作用(むくみ・ニキビ・めまいなど)が出ることがある、毎日忘れずに飲む必要ありなど、ややハードル高め。
余裕を持って、3ヶ月ほど前から試しておくのが安心。当日いきなりはリスキーすぎます。
今のところコロナでしばらく大会はないけれど、今後、何かの大会が生理と重なる可能性はおおいにあります。
それまでに低容量ピルを一度試してみておいてもいいかもしれない、と思いました。

今回の富士クライムは旦那ちゃんが一緒で、「わたしは体調万全じゃないからフォローしてね!!!」と強めに念を押しておいたので、多少は安心でした。
旦那ちゃんには、ふだんから女性の体についての情報を共有しています。彼は理解があって、とても助かります。

ロードバイクに乗る女性はあまり多くありません。
もし同じ状況で、旦那ちゃん不在かつ他のメンバーが全員男性だったらと想像すると、めちゃくちゃ不安。ロードバイクを楽しむどころではなくなってしまいます。その場合は、悲しみつつも誘いをお断りしちゃうかな……。

女性アスリートは生理とどう付き合っているの?

生理について、ふだんの「かるい運動」程度だったら、そこまで気にしなくていいことだと思うんです。

でも、今回みたいな強度強めの運動(富士山ヒルクライムするとか、トライアスロンやロードバイクやフルマラソンの大会に出るとか)になると、「1ヶ月のうち数日、必ず運動できない日が来る」というのは、不便だし、不利じゃない?
現に、梅雨など雨が続く時期、「やっと晴れた!外で練習できる!」という日や、仕事が忙しく「やっと休日!今日はいっぱい運動するぞ!」という日に生理で萎える…という経験がなんどもあります。

仮に運動できても、体はむくんで重いし、だるい。
少なくとも好調にはなりません。急な体調変化の可能性を念頭に置いておく必要もあります。
それ以外にも、経血で服が汚れないか、生理用品がずれたり漏れたりしないか、取り替える場所があるか、数が足りるか(荷物が増える)、など、運動とは関係ないことをプラスして考えなくてはなりません。地味にストレスです。

プロのスポーツ選手や代表選手など、わたしよりも運動と密接な関係にある女性アスリートは、生理とどう付き合っているのだろう?
気になって調べてみると、やっぱりみなさん苦労されているようでした。
「これ」という正解はないっぽい。
こういう話をオープンにする選手もなかなかいないから、表に出ていない部分もあるとは思うけれども。
海外の選手は低容量ピルを使うのが一般的で、生理前後の体調も含めてコンディションを整える戦略をとっているようです。

自分に合う方法を自分で確立するしかない

日本は性教育に関して、かなり遅れています。
オリンピック選手でさえ、低容量ピルで生理期間を早め、試合までに月経を済ませる方法を知らないという人も。
さきほども書きましたが、この方法は、海外の選手には一般的です。
日本では選手だけでなく周りのスタッフも知らず、「低容量ピルがドーピングにひっかかるのでは?」と不安に感じる人もいるそうで。だいぶ差がありますねー。
「生理がくるような体では競技力が落ちる」と豪語する指導者までいるとか。なんじゃそりゃ。
家庭や学校での性教育もだいぶ時代遅れですから、さもありなんという感じではありますが……。

なんにせよ、生理には個人差があるし、自分に合う方法を自分で確立するしかなさそうです。

わたしの場合は、
①事前に痛み止めを飲む
②ナプキンではなく月経カップかタンポンを使う
をすれば、強度高めの運動でも大丈夫そうです。低容量ピルは近いうちに試してみます。
もちろん、体調がすぐれないときはそもそも運動しませんが、「こうすれば大丈夫」という方法がわかっていれば、過剰に心配することなくアクティビティを楽しめます。

ただ、ここで間違えないで欲しいのは、あくまでも「個人差」であって、「個性」ではないということです。
生理痛やPMSは、個性や精神論でなんとかなるものではありません。治療で症状が改善することもあります。
つらかったり、おかしいな?と思ったりしたら、躊躇せずに婦人科を受診してくださいね。

生理の話は、女性同士でも話題にのぼることは少ないです。
もう少し、性別年齢関係なくオープンに話せる社会になってほしいな。

About

花咲マリサ
イラストレーター、フラダンス講師。
このブログでは、街中で見かけたスタイルのある人や、日々考えたこと、読んだ本、フラのことについてイラストでご紹介しています。
ゆるーく「脱プラスチック」「ごみゼロ」生活を心がけています。日々の試行錯誤の記録。
ストイックでないミニマリストになりたいです。
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