10月6日(日)フラ・ホイケ(発表会)開催♪出演曲紹介(前編)

Hōʻike(ホイケ)とは「発表会」のこと。
2〜3年に一度開催されるのが主で、日頃の練習の成果を家族や友だちに観ていただきます。
フラ・ハーラウ(学校)にとって、通常のイベントは違う大切な催しです 。

来月、わたしが所属する『Hālau Hula O Moanikeala(ハーラウ・フラ・オ・モアニケアラ)』の5回目のホイケが開催されます。
ハーラウ・フラ・オ・モアニケアラは、ハワイ語で「モアニケアラのフラ学校」という意味で、モアニケアラは学校長のハワイアンネームです。

Hālau Hula O Moanikeala 5th Hōʻike

日付:2019年10月6日(日)
開場:13:00
開演:13:30
場所:日経ホール(大手町駅直結 日経ビル3階)
2部構成
途中15分休憩あり
16:00ごろ終演予定


今回のホイケのテーマは「ハワイ島」
プログラムの全ての曲が、ハワイ島に由来のある曲で構成されています。

ひみつだけど、各曲がハワイ島のどこを舞台にした曲なのかが一目でわかる「ハワイ島イラストマップ」を描かせていただきました♪

チラッ

完成版はプログラムをお楽しみに❤︎

わたしは今回、自分のフラ史上最多の出演曲です。
フラのこと、曲のことを少し知っていると、より楽しんでご覧いただけると思いますので、ご紹介します。

まず基礎知識として、フラには、大きくわけて「Kahiko(カヒコ)」と「Auana(アウアナ)」の2種類があります。
カヒコは「古い」という意味で、文字どおりフラの中で古典的なものを指します。
娯楽のためではなく、神や自然への信仰を起源としています。
カヒコの詩が表現しているのは、主に自然賛歌、あるいは自然という形で存在する神々への賛歌。
王族を讃える内容の曲もあります。
打楽器の音と詠唱の声に合わせて踊る、勇壮な印象のフラです。

アウアナは、多くの日本人がイメージする「フラダンス」です。
ギターやウクレレなどの楽器を使ったハワイアンミュージックに合わせ、華やかな衣装でにこやかに踊ります。
詩が表現するのは、恋愛であったり自然の美しさであったり、様々です。

カヒコで幕を開けるのが、ホイケの定番です。
出演曲の1と2がカヒコです。
わたしは諸事情でしばらくカヒコをお休みしていたため、ホイケでカヒコを踊るのは4年ぶり。
個人的にアウアナよりもカヒコが好きなので、今から踊るのが楽しみ!

出演曲1:ʻAnoʻai(アノアイ)〜 Hana Waimea(ハナ・ワイメア)

アノアイ』は踊りではなくメレ(歌)のみ、ハワイ語での合唱です。
「みなさんをここでおもてなしすることができて、大変光栄です。私たち全てアロハと共に」という内容です。
ご来場のみなさんへ、ご挨拶の歌です。

『 ハナ・ワイメア

100年以上も前のトラディショナルな一曲です。
カメハメハ1世(カメハメハ大王の名で有名。ハワイ諸島を初めて統一しハワイ王国を建国、初代国王となった人物)が最後の戦いに出向く際の応援歌として作られたものだとか。
ハワイ島ワイメアに刺すように吹く風雨には『kipu’upu’u(キープウプウ)』という名前がついています。
(このように、ハワイ語には「ある場所の、ある時期にしか起きない自然現象の名前」がたくさんあります。古代のハワイ人はすぐれた自然観察者だったのだろうと思います。)
キープウプウはバチバチと槍のように降り注ぐ雨で、とても肌寒いそう。
カメハメハ1世が率いた槍の部隊はこの風雨の名前を付け闘った。というような、戦士たちの様子を歌っています。

出演曲2:Kūnihi Ka Mauna(クーニヒ・カ・マウナ)〜Aia Lā ʻO Pele(アイア・ラー・オ・ペレ)

フラには、「Oli(オリ)」という踊りを伴わないフラもあります。
振り付けはなく、詠唱です。

『クーニヒ・カ・マウナ』は、フラの生徒がレッスンルームなどに入室・入場する際に行う「入っても良いですか?」と許可を求めるオリです。
歌詞そのものはハワイの女神「ヒイアカ」の神話がベースになっており少し難解ですが、「フラを学ぶには、多くの困難があっても、決してあきらめずに努力を続けていきなさい」という意味合いがあると言われています。

『アイア・ラー・オ・ペレ
ハワイ島キラウェア火山に住む火山と火の女神「ペレ」。
ハワイには多くの神様が存在しますが、その中で一番有名なのがこの「ペレ」です。
「ここ(ハワイ島)にペレがいる」というタイトル通り、女神ペレに捧げるフラです。
ペレはタヒチからカウアイ島に到着したとされ、ハワイ諸島を南下、最終的にハワイ島に安住の地を見つけるという神話を表現した旅物語です。

ちなみに先の「クーニヒ・カ・マウナ」で出てきた女神「ヒイアカ」は、ペレの末の妹です。
卵として生まれた半神半人のヒイアカは、発育するまでペレの胸の中で育ったとされています。
踊りの最後に、「He inoa nō Hiʻiaka-i-ka-poli-o-Pele(ペレの胸のヒイアカの名前において)」というKāhea(掛け声)がかかりますので、よく聞いてみてくださいね。

出演曲3:Pua Milo(プア・ミロ)

ここからはアウアナです。
プア=花、ミロ=植物の名前

ミロ(サキシマハマボウ)の花
出典:アヌヘア:ハワイの花・植物・野鳥図鑑

ミロはハイビスカスに似た黄色い花をつける高木で、日本名は「サキシマハマボウ(先島浜朴)」と言います。
大切な人をミロの花に例えて歌っています。
アップテンポなリズムに、大きく広がるドレスの裾を使った振付が見どころの、華やかな1曲です。

作曲者のケクヒ・ケアリイ・カナカオレは、ハワイで最も伝統のあるハーラウ「Hālau O Kekuhi (ハーラウ・オ・ケクヒ)」の12代目継承者です。
優れたミュージシャンでもある彼女は、多くのハワイアンソングを作曲しています。

「ハーラウ・オ・ケクヒ」は、ハワイの火の女神ペレの踊りを代々受け継いできたカナカオレ一族により結成されたハーラウで、ハワイの伝統文化、フラとオリ、それにまつわる文化的生活様式を受け継ぎ実践している団体で、伝統芸能文化方面から数々の賞を受賞しているほか、各教育機関にてハワイの文化について教鞭をとっています。
2009年7月16日、天皇皇后両陛下がハワイ島へご来訪された際、クムフラのケクヒ・カナカオレがチャントで歓迎しました。実は1975年に昭和天皇がハワイ島へいらしたときも、チャントで歓迎したのが、ケクヒの祖母であり、フラ最大のコンペティションであるメリー・モナークの会場名にもなっている故イーディス・カナカオレでした。
このように、彼女たちはハワイを代表する、伝統芸能の継承者として最高峰に位置する存在なのです

http://uananiasosan.club/halau-o-kekuhi/

「ハーラウ・オ・ケクヒ」は日本とも親交が深く、2013年、伊勢神宮の20年に一度の式年遷宮でフラの奉納をしたり(1300年の歴史で海外からの参加は初!)、鶴岡八幡宮での東日本大震災への復興イベントでフラを奉納したりしているんですよ。

わたしもワークショップでケクヒ・カナカオレにお会いしたことがありますが、おちゃめでとってもチャーミングな方でした♪

ここまでが第1部!
後半、第2部に続きます。

About

花咲マリサ
イラストレーター、フラダンス講師。
このブログでは、街中で見かけたスタイルのある人や、日々考えたこと、読んだ本、フラのことについてイラストでご紹介しています。
ゆるーく「脱プラスチック」「ごみゼロ」生活を心がけています。日々の試行錯誤の記録。
ストイックでないミニマリストになりたいです。
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