『ボヘミアン・ラプソディ』を観て、Queen世代じゃないわたしの雑感。
映画『ボヘミアン・ラプソディー』を観た。
わたしはQueenのリアル世代ではないけど、高校生の時によく聴いていた。
2つ年上の姉がいて、わたしが20歳を過ぎて実家を出るまでずっと同室だった。
人生における姉からの影響は大きい。
姉は洋楽が好きだった。(今も好きだと思う。)
姉が誕生日か何かでもらったパステルピンクのおもちゃみたいなラジカセで、一日中洋楽が流れているチャンネルを聞いてた。
ふたりでお金を出し合って買ったアルバムは、映画『プリティ・ウーマン』のサントラ。
これが、わたしが初めて自分で買ったCDということになる。たぶん10歳とか、そのくらいの時。
「渋すぎる」
そう旦那ちゃんに笑われた。
確かに渋いね(笑)
当時ラジオでよく流れていたRoxette(ロクセット)というバンドの曲が欲しかったんだけど、MCも全部英語だったからその時はバンド名も曲名もわからなくて。
ラジオの前で曲がかかるのを待って、録音して、それをお店に持って行って店員さんに聞いてもらったけど、わからず。
ある時『プリティ・ウーマン』という映画のサントラに入ってるらしいと姉がわたしを誘い、ふたたび一緒に探しに行った。
CDショップでサントラを見つけて、バンド名が書いてあることも確認。
肝心の曲名はまだわからない。
「これかな?」
「そうかな」
「曲名はなんて読むのかな」
「わからないね」
「でもバンド名はあってるよね」
「たぶん」
「きっとこれだね」
「うん」
結果、違ったんだけど(笑)
『プリティ・ウーマン』のサントラに収録されていたのは『It Must Have Been Love』という曲で、Roxette最大のヒット作だった。
これはこれでいい曲だったけどね。
(後に、欲しかった曲は『joyride』という曲名だということがわかった。)
まあ、そんな姉がQueenを聞いていて、それをわたしも聞いていたわけ。
いま思えば、姉も全然リアル世代ではないのにどこから見つけてきたんだろうか。
映画を観ながら「この曲聴いてた時テスト勉強だったな」とか「ひたすらバイトしてたな」とか、そんなことを思い出してた。
当時は歌詞をちゃんと聴いてなかったけど、こんな歌詞だったんだなー。
英語のリスニングがだいぶ上達してる。勉強した甲斐があった。
わたしが好きなと曲というか、ロードバイク乗りとしては『bycicle race』を聞きたかったけどな。残念。
『One Vision』『Breakthru』とかも好きだけど、これらも出番なし。
ライブエイドよりも後の曲だしね。
『Flash』には、何かのセリフとか、ピュンピュン銃撃する音が入ってて、聞く度に変な曲だとちょっと笑っちゃっていたのをすごく覚えている。
だけど、なんだか中毒性のある曲だったので繰り返して聴いてた。
映画を観終わった後に旦那ちゃんにその話をしたら、同名タイトルの映画があると。
これか。→フラッシュ・ゴードン (映画)wiki
映画の主題歌だったのかー。DCコミックからのキャラクターなのね。
しかも新作も制作してる。主演はEzra Miller(エズラ・ミラー)だ。いま『ファンタスティク・ビースト』に出てるね。最近よく見かける。
彼もLGBTQだよね。そういう人が活躍するのはいいことだと思う。
映画は、とにかく俳優陣の演技力、再現率の高さに目を見張った。
フレディもロジャーもジョンもそっくりだったけど、ブライアン・メイがめっちゃ似てる!!!!
そっくり過ぎて、驚きを超えてもはや笑ってしまった。
コメディーじゃないのに「“似てる”のが面白く感じる」っていうのは、何でなのかな。
ブライアン・メイ役はイギリスの役者Gwilym Lee(グウィリム・リー)さん。
ギターを弾く手がアップになる部分も自分で弾いているんだそうで、すごいねー。
ブライアン・メイ本人からギターの手ほどきを受けたんだとか。
フレディ役のRami Malek(ラミ・マレック)は、『ナイトミュージアム』でエジプトの王様役だった人だと旦那ちゃんが言ってた。確かに〜。
ちなみに、ジョン・ディーコン役のJoseph Mazzello(ジョゼフ・マゼロ)は『ジュラシック・パーク』のティム役(小さい弟)だったそう。
旦那ちゃんはそういうこと良く知ってるな。
Youtubeのメイキング映像で、「ムーブメント・コーチ」という仕事があることを初めて知った。
フレディを再現するためにラミを指導した、ポリー・ベネットさん。
振付師とはまた違って、主人公(この映画ではフレディ)が何故その動きをしているのか?の背景を読み解いて、指導する仕事。
主人公の性格や過去の経験や身体的なコンプレックスから、その時どういう気持ちでその動作をしているかを導き出し、それを俳優の脳にインプットして、演者の肉体が自然に反応するようにする。面白そうな仕事だ。
ポリーさんは、Netflixのエリザベス女王2世の激動の半生を描いたドラマ『ザ・クラウン』にも関わっている。NME JAPANの記事で読んだ。ムーブメント・コーチは主に「実在の人物」を研究して演技指導するひとのことなのかもしれない。
俳優が自身でそれを行うには限界があるから、そういうひとがいると、俳優さんはきっと助かるだろうと思った。
演劇業界だとふつうの仕事なんだろうか。
日本の映画界にもそういうひとがいるのかな。
映画界には特殊な仕事に携わっているひとが多くて、いつも興味深く感じる。
例えば『ロード・オブ・ザ・リング』では「エルフ語のコーチ」という人がいて。
エルフ語って原作者のトールキンが作った架空の言葉です。架空の言葉をコーチできるひとがいるって、すごくないですか?
そのような方々のお陰で、フィクションにリアリティが吹き込まれていくのだろうと感嘆する。
フィクションだからこそ、細部が大事ですね。
それにしても、わたしがQueenを聴いていた時には、「Queenが好き」「聞いてる」っていう人に会ったことがなかった。
わたしは洋楽ばっかり聴いてていつでも邦楽をまったく知らなかったから、周りとはだいたい話が合わなかった。
だけど、映画が公開になって、何回も観に行ったり感動して号泣したとか最高と言ったりしている人がたくさんいて、みんないつからそんなにQueenが好きだったの??
と、びっくりしてる。
今なら話が合う人がたくさんいそう(笑)
わたしの中では、そんな感じ。