アートを味わうスープ。『フェルメールの“牛乳を注ぐ女”のスープ』の話。
Soup Stock Tokyoが好きで、見つけたら入ってしまいます。
先日もお昼を食べようとお店に入ったら、『フェルメールの“牛乳を注ぐ女”のスープ』なるものが。
新作メニューだ!
これは食べねば。
去年の10月頃にも『芸術家のレモンと鶏肉のスープ』という新作スープがありました。
さわやかで美味しかった。
秋になると、アートにまつわるスープが登場するようです。
▼こちらが今回のインスピレーション元の『牛乳を注ぐ女』
17世紀のオランダの画家、フェルメールの最も著名な作品の一つですね。
やわらかく光が差す室内に居る女性というテーマはおなじみですが、働く女性を単独で描いた作品はこの一点のみ。
もともとは壁に地図(もしくは絵画)、床には洗濯かごが描かれていたことがわかっています。
背景に余白を作ることで、主題の女性がより引き立つようにしたのでしょうか。
静謐な世界観が美しいです。
絵を観察してみると、女性の服装は生地が厚く冬物のようで、足元に足温器がある。寒い季節だとわかります。
器の手前にパンが描かれていることから、牛乳が注がれている器にはおそらく硬くなったパンが入っているのでしょう。
当時は、日が経って乾燥したパンを牛乳に浸して、パンプディングやパン粥などを作ったそうです。
そんなことからイメージして作られた『フェルメールの“牛乳を注ぐ女”のスープ』は、牛乳とチーズの濃厚なスープの中に、くるみとレーズンのパンが入っていました。
オランダといえば酪農、牛乳とチーズですもんね。
鼻に抜ける酸味はなんだろう?と思ったら、マスタードソースがかかっていたらしい。
美味しい〜♪
「まだこの時代は家庭で食べられていないから、じゃがいもはレシピから抜こう」とか、「マスタードが古くから食卓で親しまれていた(オランダの風車はマスタードを挽くためでもあったそう)から、入れよう」とか、時代考証や食文化に関する史実からイメージを膨らませて開発されたそうです。
画家の想いや、人々の暮らしに思いを馳せながら食べるのも楽しいですね。
こういうのもアート鑑賞の方法のひとつだし、ここから美術や歴史に興味を発展させていくこともできる、なかなか深いスープだなーなんてことを考えつつ、おいしく完食。
“日常の中に、美を見出す。”
っていうコピーもいいよね。
スープストックのリーフレットは、毎回レイアウトや折り方が異なるなど凝っていて内容も面白いので、割と隅々まで読んでしまいます。
現存するフェルメールの作品は、わずか35点とも言われています。
そのうちの8点(うち2点は期間限定)を展示した、過去最大の「フェルメール展」も上野の森美術館で開催されています。
すでに来場者数が10万人を突破しているというニュースも。
フェルメール人気すごいねー。
チケットが日時指定入場制なので、行こうかなと考えている方は入場券は事前に購入しておく方が賢明ですね。※終了しました。
わたしは……
スープをもう一回食べたいな(笑)